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社長コラム 2023.04.06
コラム第1回
日本には伝統的な庭園様式(俗に言う日本庭園)があるなかで、現代社会の街並みを見た時にそうした庭園様式ではないエクステリアと呼ばれる様式が圧倒数であることに疑問を抱いたことはないだろうか。実は、日本庭園とエクステリアと呼ばれる様式はともに日本で生まれながら、そのもとを辿っていくと派生は全く異なる。全くと言えるのは、私がエクステリアの原型と考える大正時代の「大衆の庭」は日本庭園様式を踏襲せず、むしろ決別する形で考案された。観賞を主とする日本庭園に対して、実用を主とした庭がエクステリアの先祖だと考えて良い。少なくとも当時はそう考えて「大衆の庭」が提唱された。
「大衆の庭」というのは文字通り、特権階級にいない大多数の人を指していたが、そもそも特権階級ではない個人が庭を所有することができるようになったのは僅か100年程度前のことだ。だから自宅に庭があるというのは生活を豊かにする上でとても重要で、逆に言えば庭がある生活ができるというはとても貴重なことであると思う。そのため、私たちのように庭を含む外部空間を設計し提案する人の役割というのはとてつもなく重いし、またそれが面白いのだと思う。